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直売所の賑わいづくり【品ぞろえを良くすることが最優先】

 直売所の賑わいづくりで最も優先されることは、地元産の農産物の品ぞろえをとにかく充実させることです。品ぞろえが悪ければお客さまは来てくれないので当然です。

 では、どのように品ぞろえを良くするかというと、まずは野菜ごとの販売状況を詳しく把握しなければなりません。

 下のグラフは、エダマメの月別販売額を委託品(地元産)と仕入品に分けて表したものです。

図4

 これにより、エダマメの来年以降の栽培の取り組み方がはっきり見えてきます。

 私(代表の勝本)は、この直売所に対し、次のように方向性をお示しました。

 1.エダマメは、栽培面積を1.5倍に増やしても売れる見込みがある。

 2.地場産の販売拡大を図るため、4月下旬~6月中旬にかけて播種する早生黒豆、茶豆、白大豆のリレー栽培を導入する(最近は特に香りの良い茶豆風味の「湯上り娘」や「おつな姫」が人気)。

 3.「丹波黒豆」のエダマメの栽培拡大の余地があるため、6月中旬に播種する栽培を増やす。

 グラフだけを作成している直売所がありますが、それだけでは不十分です。グラフ化とともに、野菜に関する出荷者向けの栽培講習会を開催し、栽培の方向性まで示してこそ直売所の品ぞろえは改善されることを強調しておきます。

 私自身、グラフを作成するとともに栽培講習会の講師を務め、主な野菜の栽培のポイントを詳しくお話しすることが少なくありません。

 野菜の販売状況のグラフ化とそれから導き出される栽培の方向性の明確化…直売所の品ぞろえを充実させる上で、これほど重要なことはほかにありません。

「もう少し若い時に聞きたかった…」

 今月に入っても、直売所の出荷者様向けの講演会の講師を2回務めました(三重県、岐阜県)。

 内容は、私(勝本)が最も得意とする、売れる農産物作りの4つの視点と、売れる売り方の6つの工夫です。

 以前の講演会の終了後のことになりますが、1人の年配の女性が私に対し「もう少し若い時に聞きたかった」と言ってくださったことがあります。

 もう10歳や15歳若い時に講演を聞いていれば、それを参考に栽培も直売所出荷ももっと頑張れたに違いない…という思いでおっしゃったのだと思います。

 高齢になっても農産物を販売できるのが直売所の良さ。

 高齢者であっても効率よく栽培でき、また効果的に売れる売り方を、これからも講演で伝えていきたいと日々思っています。

直売所の従業員研修会で講師を務めました

 先日、横浜市のJA様の直売所において、50名ほどの従業員の方々を前に研修会の講師を務めました。

 今回の主な内容は、直売所ならではの接客方法と日常の点検項目です。

 接客方法では、20項目からなるセルフチェックシートを用い、それぞれを自分自身で「完璧」、「ほぼできている」、「あまりできていない」、「できていない」なのか採点してもらいます。

 もし「あまりできていない」や「できていない」にチェックした項目があれば、その人自身で弱い点を自覚していることになりますから、それらの改善に重点的に取り組んでもらいます。

 

 次に日常の点検項目ですが、直売所のルーティンとして欠かせないのが次の5項目です。

  1)加工品の賞味期限の点検

    ・・・点検担当者の決定と危機管理意識の徹底。

  2)規則の励行

       ・・・出荷者と運営者側双方の規則の励行状況の点検。

  3)クオリティーの程度

     ・・・商品の品位としての品質や鮮度の程度、価格の高い安いや見た目の状態のトータル的なチェック。

     ・・・店舗の品格としての買い物環境や従業員の接客態度のチェック。

  4)欠品への対応

     ・・・商品の追加搬入の促進と、仕入れ品であっても欠品させない姿勢の大切さ。

  5)コンタクトが図られている状況

     ・・・出荷者と運営者との意思疎通は図られているか。

      管理者側と従業員とのコミュニケーションは十分か。

      従業員同士の連絡はスムーズに行われているか。

 これらは、それぞれの始まりの1字を取って「直売所の日常点検か・き・く・け・こ」と呼びます。

 あなたの直売所では、接客も日常点検も良好で確かなものになっているでしょうか?

 

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